宮崎県綾町にある「綾国際クラフトの城」は、復元された綾城と、町内の工房の工芸品が並ぶ工芸館、そして陶芸・織物が体験できる体験館がひとつの敷地にまとまった施設です。明治時代の小学校校舎を移築した資料館もあり、半日あればひととおり見て回れます。
実際に訪れて織物体験をしてきたので、施設の様子や体験の内容、料金などをまとめます。
綾国際クラフトの城とは
綾町は森林が育んだ文化を長く受け継いできた町で、絹織物・木工品・竹細工・陶器といった手づくりの工芸品が今も作り続けられています。綾国際クラフトの城は、その文化を後世に残すために、町内の職人たちの手で建てられた施設です。町内に自生するカヤやケヤキなどの銘木が使われています。
敷地内には、工芸品を展示販売する「工芸館」、中世の山城を復元した「綾城」、明治期の校舎を移築した「綾陽校」、そして工芸体験ができる「体験実習館」があります。入場料は共通で、これらすべてを見学できます。
入場料は買い物や体験でキャッシュバックされます
受付で入場料を払って中に入りましたが、工芸体験をしたところ、入場料が返金されました。5,000円以上の買い物をした場合も同様にキャッシュバックの対象になります。
体験や買い物を予定している場合は、実質的に入場料の負担なしで見学できることになります。

工芸館|町内26工房の作品が並びます
工芸館では、綾町内にある26の工房の作品が展示販売されています。染織、陶芸、ガラス、鋳金、木工と幅広く、テーブルごとに工房別で並んでいるので、見比べながらゆっくり選べます。
お茶碗などの食器やキッチン道具が充実していて、眺めているうちに欲しくなるものがいくつもありました。旅先のお土産としてはもちろん、普段の食卓で使えるものが多いのが特徴です。
工芸館の建物自体も綾城と同じ工法で、町内の職人たちの手によって建てられています。



綾陽校|明治の校舎がそのまま資料館に
敷地内には、明治6年に創立された綾小学校の前身である「綾陽校」の校舎が移築されています。昭和33年に新しい校舎が完成したことで一度撤去されましたが、その後記念館となり、昭和63年に現在の場所へ移されました。
館内には、今では使われなくなった農具や生活用具、明治時代の教科書などが展示されています。明治の建物がこうしてそのまま残っていることに驚きました。木造校舎の中に入ると、当時の空気がそのまま残っているような感覚があります。


綾城|物見やぐらから綾の町を一望
綾城は、元弘年間(1331年〜1334年)にこの地に築かれたとされる山城を、日本城郭協会の調査考察に基づいて復元したものです。昭和60年春に完成した、日本で初めての戦国初期城楼建造物とされています。
この規模の建物を木造だけで建てることは当時の建築基準法に抵触するものでしたが、町内の大工や石工の全面的な協力によって実現しました。柱にはツガ、入口にはケヤキ、階段にはサクラ、物見やぐらにはユスと、部位ごとに木材が使い分けられています。
外観は思っていたより小さく感じましたが、中に入ると印象が変わります。柱が太くて、いかにも丈夫そうでした。館内は刀や甲冑を展示する歴史資料館になっていて、綾生まれで日本一の刀鍛冶といわれた田中国廣の刀も展示されています。
急な階段を上がった先の物見やぐらからは、綾の町が一望できます。上まで上がれるので、外から眺めるだけでなく中を見学するのがおすすめです。


田中国廣像
田中国廣は綾町の古屋地区の生まれで、子どもの頃から鍛刀に励みました。天正14年(1586年)に打った刀は「日州古屋住国廣作」として国の重要文化財に指定されています。昭和61年、国廣ゆかりの綾城にブロンズ像が建立されました。
工芸体験|陶芸と織物が年間を通じて体験できます
体験実習館では、陶芸と織物を年間を通じて体験できます。職人さんがサポートしてくれるので、初めてでも取り組みやすい内容です。
じゃらんの「遊び・体験」のページからでも陶芸体験は予約できるようです。
陶芸体験(綾城焼)は事前予約がおすすめ
陶芸体験は「綾城焼」の工房が担当しています。手びねりのほか、ロクロや絵付けにも対応しています。
| 品名 | 所要時間 | 料金 |
|---|---|---|
| 湯呑 | 50分 | 2,000円 |
| 茶碗・タンブラー | 50分 | 3,000円 |
| コーヒーカップ・平皿 | 50分 | 3,500円 |
| どんぶり・徳利・一輪挿し | 50分 | 3,800円 |
| 絵付け・手形 | 要相談 | 要相談 |
受付時間は午前10時〜午後4時、定員は5名です。予約・問い合わせは綾城焼(0985-77-0910)で受け付けています。
今回は陶芸体験をしたかったのですが、予約がいっぱいで受けられませんでした。定員が5名と限られているので、陶芸体験が目当ての場合は事前に予約してから行くと確実です。
作った作品は乾燥から本焼きまで工程があるため、完成までに2〜3か月かかります。工房での受け取りのほか、配送にも対応しています(送料別途)。汚れてもいい服装で行くと安心です。
織物体験は予約なしでも入れました
織物体験は「玄太染織工房」が担当しています。ツバキやヨモギなどの自然素材で染めた糸を使い、昔ながらの織機で織っていきます。
| 品名 | 所要時間 | 料金 |
|---|---|---|
| ティーマット | 30分 | 1,500円 |
| シルクマフラー | 1日(要予約) | 10,000円 |
| シルクストール | 1日(要予約) | 20,000円 |
受付時間は午前10時〜午後4時、問い合わせ・予約先は玄太染織工房(0985-77-1223)です。ティーマットは空きがあれば当日の飛び入りでも参加できます。今回は予約なしで訪れましたが、そのまま体験できました。
作ったのはティーマットです。織り方は意外と簡単で、織るときのトントンという音が心地よく、30分があっという間でした。3人で体験して合計4,500円でした。支払いは現金で行いましたが、PayPayも使えるようです。
マフラーやストールは経糸の準備から始まるため、1週間前までの予約が必要です。色などの打ち合わせをしたうえで、当日は10時から16時(昼休憩込み)で織り上げます。


訪れる季節について
綾城も体験館も木造の建物で、夏場は館内の気温が上がります。階段の上り下りもあるので、夏に訪れる場合は水分を持っていくと安心です。ゆっくり見学したい場合は、少し涼しくなった季節のほうが過ごしやすく感じました。
綾国際クラフトの城の基本情報
| 施設名 | 綾国際クラフトの城・綾城 |
|---|---|
| 住所 | 宮崎県東諸県郡綾町大字北俣1012-1 |
| 電話番号 | 0985-77-1223 |
| 開館時間 | 4月〜9月 9:00〜17:30 10月〜3月 9:00〜17:00 |
| 休館日 | 木曜日(祝日の場合は開館、翌日休館) |
| 入場料 | 高校生以上500円/小・中学生350円/小学生未満無料 ※綾城と共通 ※障害者手帳の提示で無料(付き添いの方も無料) ※5,000円以上の買い物または工芸体験で入場料キャッシュバック |
| 駐車場 | 無料(大型バスも駐車可) |
綾町在住の方は、令和8年5月から入場料が無料になりました。受付で免許証やマイナンバーカードなどを提示します。
綾国際クラフトの城へのアクセス
車でのアクセス
| 宮崎市中心部から | 県道333号線〜県道17号線経由(高岡町嵐田まわり)約50分 国道10号線経由(高岡町まわり)約60分 |
|---|---|
| 国富スマートICから | 国道10号線経由 約15分 |
| 高原ICから | 国道268号線経由 約60分 |
駐車場は無料で、大型バスも停められます。
バスでのアクセス
宮交バスの「綾待合所」行きまたは「酒泉の杜」行きに乗り、「綾待合所」で下車します。宮崎駅から約50分、宮交シティから約60分です。バスの始発は宮崎駅と宮交シティの2か所で、合流地点である「ホテルルートイン宮崎橘通」で検索すると本数を多く見つけられます。
宮崎空港から向かう場合は、「宮交シティ」またはJR「宮崎駅」で綾行きに乗り換えます。
綾待合所からクラフトの城までは徒歩約20分で、坂道が続きます。タクシーなら約5分です。
時間が余ったら酒泉の杜へ
綾国際クラフトの城は、半日あればひととおり楽しめる規模です。時間が余った場合は、同じ綾町内にある「酒泉の杜」へ足をのばすのもいい選択です。ワインの試飲や工作体験ができるので、クラフトの城とあわせると一日の予定が組み立てやすくなります。

まとめ
綾国際クラフトの城は、見学と買い物と体験がひとつの敷地で完結する施設です。復元された綾城、明治の校舎を移した綾陽校、町内26工房の作品が並ぶ工芸館と、内容が変化に富んでいます。
工芸体験をすれば入場料がキャッシュバックされるので、時間に余裕があれば体験まで組み込むのがおすすめです。陶芸体験は定員があるため事前予約、織物のティーマットは当日の飛び入りでも参加できるという違いも覚えておくと予定が立てやすくなります。

